Fall in love with you【R18】
第11章 eleven
帰り道、気まずい雰囲気が無くなることはなく、家の中に入るその瞬間まで空気は重苦しいまま。
だって、こうゆう時どうすべきなのか、どうあればいいのか、何も知らない。
浮気はしないでと拗ねればいい?
私から離れないでと泣いて縋ればいい?
本当はどうゆう関係なんだと怒って問えばいい?
なにも、何も知らないんだ。
「あの、藍原……」
「今日はもう、シャワー浴びて寝ましょうか。烏養さんも疲れてるだろうし、明日からまた仕事ですよね?」
「まぁ……そう、だけどよ……」
「じゃあ、私お先に失礼しますね」
結局、どの選択肢も選ばないまま、
私は逃げた。
「なんであの時……ちゃんと言ってれば……っ、」
階下へ降りてしまった私には、その言葉を聞くことは出来なかった。