Fall in love with you【R18】
第11章 eleven
「ほれ繋心!このべっぴんさんの事紹介せんか!」
アルコールの回った近所のオジサンにハルさんを紹介しろと絡まれる烏養さん。大変そう、と少しだけ同情してしまう。
「コイツは大学の頃のダチ。以上!」
私にしたのと同じ説明を。ここで、私のいる前で『元カノ』なんて言うことは出来ないから。
その説明で納得出来なかった人がひとり、いや、ふたり。
「ちょっと繋心ひどーい。もう私のことはなんとも思ってないの?」
ハルさんと、
繋心にそう説明されたの?と視線で問い掛けてくる嶋田さん。
嶋田さんだけは、私が元カノだと知ってるって事を知ってるから、心配してくれてるんだろう。
肯定の意味を込めて小さく頷くと、彼の眉間のシワが更に深くなってしまった。
そんなに怒らなくても……
私は大丈夫なんだけどな……
「優稀ちゃんお酒、追加いいか?」
助け舟……なのか単にお酒が飲みたかっただけなのか、滝ノ上さんがその場から離れる機会をくれた。
「優稀ちゃんも大変だねぇ」
女将さんの言葉に、苦笑いを返すことしか出来なかった。