Fall in love with you【R18】
第11章 eleven
ー藍原ー
「いや……その、これは……」
気まずそうに、どこから弁解しようかと目を泳がせる烏養さんに近づき、とりあえず荷物を受け取った。
「お疲れでしょうし、とりあえずお座りになったらどうですか?」
ここでは、私はあくまで従業員。
どうして家じゃなく店に来たのか、どうしてハルさんは烏養さんが来る事を分かっていた風なのか。
聞きたいことはたくさんあるけど。
「お水、お持ちしますね」
今は聞くことは出来ない。
「お、おう……」
「けぇしん♡一緒に呑もーよぉー」
「ヤメロ。くっつくんじゃねェ!」
いいなぁ、羨ましい。
私には、出来ない。
「嶋田さん、そんな恐い顔しないで下さい」
「でもさ、」
「あの人のことは烏養さんから聞いてます。だから心配しないで」
向けた笑顔は、うまく作れていただろうか。
引き攣っていなかったろうか。
嫌だなぁ。胸の奥がズキズキする。