Fall in love with you【R18】
第11章 eleven
本来であれば藍原の迎えと今夜のお楽しみの為にと取っておいた体力を、あの小悪魔の居る店へ走るために使うことになってしまった
荷物を肩にかけたまま、もう若くない体を酷使して走る。
時おり信号で止められるが、そんな僅かな時間でさえも惜しい。
「あァ、クソッ!」
やっとの事で店の前に到着し、ゼェゼェと酸素の不足した身体に空気を送り込む。 扉を開けたら カオス……なんてことになってねぇだろうな……
一抹の不安を抱えつつも、ガラガラと扉を開ける。
「あ、けぇーしんきたぁ♡」
俺の不安は的中した。
「おい、繋心……俺、聞いてねぇけど?」
「え、と……とりあえずおかえりなさい……」
「烏養んとこの!こっちゃ来て話聞かせろ!こんな美人のネェちゃんと付き合ってたなんてなァ!お前にゃ勿体ねぇ!!」
これは、カオス、と言う名の処刑場だ。
「は……ははっ、」
せめてあと1日、待ってくれたら……
などと叶いもしないことを願ってしまった。