Fall in love with you【R18】
第11章 eleven
何となくハルとの電話のことを言えないまま時間が過ぎて、春高一次予選を無事突破。
さあ、春高二次予選に向けて頑張んべ!
となっているのだが、
「はぁ……」
秘密にしている罪悪感から溜め息ばかり漏れる。
「どうした、烏養。辛気くせーな」
トン、とテーブルにジョッキを置いて「よっこいせ」なんてジジ臭い言葉を発した直井。
どうやら酒豪たちの手から逃れてきたようだ。
「うっせ。お前にゃ分かんねーよ」
「言ってみないとわかんねーだろ?ほれ、相談乗ってやるからよ」
少し酒の回った頭で、本当に言っても大丈夫か考えてみる。いつもなら嶋田たちに相談するとこだけど、今回のはフザケてんのかって怒られそうだから言えねぇ。
かと言って俺1人では解決しそうにもねぇ。
「しゃーねぇ。お前に相談すっか」
「そーしろ、そーしろ!」
ケタケタと笑う直井に誰にも言うんじゃねえぞ?と釘を刺してタバコを一本取り出した。
「お前さ、彼女いたっけ?」
「今は居ないなー」
「もし……もし、好きになったヤツが自分の生徒だったら、どうする?」
ゴフッ…口に含まれたビールが危うく俺んところに飛んでくるところだった。