Fall in love with you【R18】
第10章 ●ten
そのまま時間が来るまで愛し合って、
脱ぎ散らかした衣服を纏いホテルをあとにした。
外はすっかり日が暮れていて
オレンジと群青のグラデーションが山の少し上に見える。
「じゃあ帰っか」
「はい」
車を走らせてからウトウトし始めたのを見て、無理させちまったかなーと苦笑い。
「寝ててもいーぞ」
「……や、です……」
すぅすぅと聞こえてきた寝息。昨日眠れなかったのか、はしゃぎ過ぎたのか、疲れちまったのか。まあ全部か。
無防備に閉じられた瞼を親指でそっと撫でた。
「お前が好きだよ、藍原」
本人に届かない、秘密の告白。
いつかこんなコソコソせず、堂々と手を繋いでそこら辺を歩けるように何のかな。
お袋にも、ちゃんと俺の大事なヤツだって紹介したりとか……藍原んとこにも挨拶とか……
ちょっと話ぶっ飛びすぎたな……。
とは言えそれもこれも、藍原が高校生であるうちは実行できないものだけど。
「ったく、なげーなぁ」
残り約半年。高校生になんか目移りすんなよ。