Fall in love with you【R18】
第10章 ●ten
ー烏養ー
シーツに包まり、「抱きしめて欲しい」
と強請った藍原を胡座をかいた脚の上へ横向きにして乗せた。
スッポリ嵌った身体は違和感なんて無く、有るべき場所に収まった様な安心感をもたらした。
俺の胸に押し当てられた耳から藍原の体温が伝う。
「烏養さんの心臓、少しはやい」
「当たりめーだろ、運動したばっかなんだから」
「運動って」
「あれも立派な運動だ」
「運動って言うのかなー?」
ころころと藍原が笑う度身体が揺れて、
少し擽ってぇ。
ひとしきり笑ったあと、ほんの一瞬だけ
表情に陰りが差した。
情事中も何度か見た
泣きそうで泣けない、そんな顔。
それは一瞬で切り替わって、再び温かい笑みを浮かべた。
あぁ、まただ。また無理させてる。
ズキズキと胸の奥に痛みが広がって、それを和らげる為に藍原を抱き留める力を強くした。
「烏養さん?苦しい、です」
「なぁ、はなし、聞いて欲しいんだ。
してもいいか?」
そんな顔させるくらいなら、俺は覚悟決めるよ。
全部、お前に話す。