Fall in love with you【R18】
第9章 nine
「で、お前何しに来たんだよ。」
俺の隣に座ったハルが頬杖を付きながら何か企んだように笑う。
「人聞きの悪いこと言わないでよ。わたしはただ久しぶりの帰郷で思い出の場所巡ってただけ。狙ったわけじゃないわ。」
明るめのブラウンの瞳が俺をジッと見つめる。
「いい男になっちゃって。惜しい事したなぁ…」
「後悔しても遅せぇっつーの。」
「……今からじゃ、ダメ?」
強請る様な声に視線を動かすと、ワザとらしく仕掛けられる上目遣いと頬を撫でる手。
きっと、そのテで何人もオトして来たんだろ?
「わりぃけど、今付き合ってるヤツいっから。」
「ちぇー。つまんなーい」
「俺で遊ぶんじゃねぇよ。」
俺に触れている手を弾き、髪をくしゃりと乱す。当時と変わっていなければここで「バカ!」って文句の後に肩パンが来る、
「繋心のバカぁ!」
お、きた。と思ったら当時みたいなトンって言う軽いモンじゃなく、ゴスッって効果音が合いそうなダメージ。
「ってぇんだよコラ。」
「繋心が悪いんでしょ。ばーか。」
あぁ変わらない。懐かしい。
コイツのこうゆう雰囲気とか笑った顔が、
俺は好きだったんだ。