Fall in love with you【R18】
第9章 nine
早く休みになれ、なんてガキみてぇな事を思いながら過ごす平日は短かったような長かったような。
水族館の後はどこに行こうか、男避けに何か買ってやるのもいいな。……藍原の身体を楽しむのもアリだろう。
カチカチとケータイの画面と睨めっこしながら念入りにデートのコースを考えた。
あいつ、楽しんでくれっかな…
ふわふわ綿毛のように浮つく気持ちを地面にくくりつけるように押さえつけ、部活でかいた汗を洗い流すために風呂に入った。
そういう展開にならないとも限らないからな…と言うかするつもりでいるし。
モコモコに泡立てたボディーソープで、全身を洗っていると、ふと思い出す前回の情事後の朝。
あの未成熟ながらもしっかりと俺を受け入れてくれる身体を想像して、若干反応する我が息子。
「まじやべぇな……」
苦笑いを零しつつも自らの手で慰めて落ち着かせた。
その後は文字通り、頭のてっぺんからつま先まで丁寧に洗った。少しでも良く見せたいと思うのは男のサガだ。
パンツとジャージのズボンだけ穿き、まだ熱の篭る上半身にはバスタオルを掛けただけ。お袋の「服きて歩きなさい!」なんて文句もとりあえず聞こえないふり。
部屋に戻るとチカチカ光るケータイ。
送られてきたメールに愛おしさを感じずにはいられなかった。
『明日、楽しみにしてます。』
シンプルなのに、酷く心が踊る。