Fall in love with you【R18】
第9章 nine
「なんか私、烏養さんに我慢させてばかりですね…」
ぽつり、呟いて力無く笑う藍原の頭をくしゃっと撫でた。
「我慢なんかしてねぇよ、俺がそうしたいだけだ。俺の方こそ、ゴメンな。」
我慢なんて、きっと俺の方が沢山させてる。高校生が大人と付き合ってるなんて、響きとしては羨ましいだろうけど世間一般的には犯罪で。
藍原は頭のいいやつだから学校でも俺の事は秘密にしているんだろう。高校生なんて恋愛話で盛り上がりたい年頃なはずなのに。
「烏養さんと付き合って我慢してることなんて無いですよ!」
「そうか、さんきゅ。」
ほんと、藍原は優しいやつだな。
「あー、それと、今週末の部活休みになっただろ?だからその日水族館デートしようぜ。」
話題を逸らすのように話しかけると途端にパァッと明るい表情を浮かべて。
「すい、族館!!!行きたかったんです!どうして分かったんですか!!?」
「興奮しすぎだっつーの。まぁ、東峰から教えて貰っ、た…」
そうだ、東峰との話、聞かなくちゃな…
「東峰めー!!バラすなんて酷い!」
「まぁいいじゃねぇか。そのお陰でお前の行きたいとこ分かったんだし。な?」
「だって烏養さん、あんまりそうゆうの好きじゃ無さそうだから…」
ほらまたそうやって、自分より俺の事を優先しようとして、やっぱり我慢させてんのは俺の方だな…
「俺はお前の行きたい所に行きてぇよ。」
好きなやつの好きなものを知りたいと思うのは当然だろ?