第2章 if~貴方に忠誠を~
「まっ、いいんじゃねぇか?近藤さんがいいなら俺は何も言わねぇよ。」
「千鶴の知り合いなんだろ?綱道さんと繋がりがあるらしいし一緒にいてもらった方がいいじゃん。」
「まぁ、少しでも怪しければ斬ればいいだけの事だし。」
「何かの縁っつーことで良かったじゃねぇか。千鶴に会えてよ。」
永倉、平助、沖田、原田が近藤の言葉に異論する事なく頷いた。
「俺は副長の判断に従います。」
近藤は渋っている土方に視線を向ける。穏やかな微笑みに土方はやれやれと肩を竦ませ深い溜息を漏らした。
「っち、少しでも不審と判断すればてめぇを斬る。これだけは忘れんなよ。」
土方の言葉に満足気に頷いて近藤は悠真に向き直り笑う。
「では、改めてよろしくな悠真くん。」
「よろしくお願いします。」
悠真も笑って頭を下げた。千鶴もいい方向に進んでホッと安堵の息を漏らす。争いにならなくて良かった・・・握っていた手の力を自然と緩める。そんな千鶴に悠真はそっと近づいた。
「千鶴ちゃん今一度、貴方に忠誠を誓わせて頂きます。」
悠真は千鶴の手を握りしめ甲に口付けた。目を見開いて顔を真っ赤にさせる千鶴にニコニコ笑う。
「えっ・・・」
「なっ!!」
その光景を見ていた幹部達も動揺。平助に至っては顔を真っ赤にさせ狼狽えている。
「いかなる時もお側に私がずっとお守りいたします。我が姫。」