第8章 サイコパス
「まぁ、そんな話はどうでもいいから、時間もねぇしゲームの話しようぜ。」
蘭丸さんは先程の寂しげな表情を吹き飛ばすように
ニカっと笑った。
「そうそう。"ハコブネ"って何だよ。」
陽くんは不思議そうな顔をして蘭丸さんを見つめた。
「"ハコブネ"は割りと昔からあるギルドで、ゲームの仕様が変わってから派手に殺戮しはじめたのもこいつら。んで、黒雷ちゃんのギルド潰したのもこいつらってわけよ。」
「…っ!」
優月さんはなんだか悔しそうな顔をしていた。
「その前にギルドってなんだよ。」
陽くんは眉間にシワを寄せていた。
「えーっと、大規模なパーティーみたいなもんだ。同じ思考を持った奴らが集まるところだ。」
蘭丸さんは少し考えてそう言った。
「じゃぁ、そいつらと戦うには俺らもギルドに入らなきゃいけないのか?」
陽くんはより一層眉間にシワを寄せた。
「いや、戦いには3つある。ソロ戦、PT戦、ギルド戦。もちろんギルド戦してもいいんだが、PT戦やソロ戦で地道に戦力削っていく方がいいかもしれんな。」
「お、さすが黒雷ちゃん。俺の言いたい事言ってくれたね。でだ、その"ハコブネ"の主力メンバーの一人の潜伏場所が分かったんだ。」
蘭丸さんはニヤニヤと笑いながらそう言った。
「主力メンバー?」
優月さんは首をかしげた。
「血塗られた狂人"村雨エリ"(ムラサメ エリ)。黒雷ちゃんも知ってるだろ?あの、殺人狂。」
蘭丸さんは煙草をくわえ火をつけた。
「…あぁ、あの狂った感じのウォリアーか。そいつがドコに居るんだ。」
「カルサイトの森。迷い込んだ奴は皆殺し。最近ではそれでも飽き足らず、フローライトにも出向いて来てる。」
蘭丸さんは煙草の煙を吐き出した。
「…。相手はそいつ一人か?」
優月さんは眉間にシワをよせていた。
「いや、一緒に氷使いの魔術師がついてるらしい。情報によれば、そんなに威力はないから新参じゃないかって言われてる。」
「…なるほどな…。」
優月さんはなにやら考え込んでいた。