第8章 サイコパス
「あ、そういえば、カラスはさ。何て名前なの?」
陽くんは苦いコーヒーに苦戦しながら蘭丸さんの方を見た。
「俺?俺は鴉夜蘭丸(カラスヤ ランマル)。お前は?」
「俺は、光武陽(ミツタケ ヨウ)。」
「んじゃ、俺はお前の事よっぴぃって呼ぶから、お前は俺の事"蘭にぃ"って呼べ!」
蘭丸さんはニヤニヤしながらそう言った。
「はぁ!?何それ。だせぇからヤダよ!」
陽くんは口を尖らせてそう言った。
「鴉夜って、あの鴉夜組の鴉夜か?」
優月さんは驚いた顔で聞いた。
「お、さすが黒雷ちゃん。詳しいねぇー。そうだよ!」
「おい、雛。鴉夜組ってなんだ?」
陽くんは眉間にシワを寄せながら聞いてきた。
「へ?…うーん。わかんない。」
「この辺一帯を仕切ってるヤクザの組だよ。」
優月さんはすかさず教えてくれた。
「え!ってことは、蘭丸はヤクザなの?」
陽くんは目をまん丸にして聞いた。
「次期頭首…になる予定だった。けど、今はもう違うよ。ただの一般人。」
「ふぅーん。なんで次期頭首じゃねぇの?」
陽くんは不思議そうにしていた。
「そうだなぁ、器がなかった…っていうそれだけじゃね?」
そう言って笑う蘭丸さんは
どこか寂しげだった。