第8章 サイコパス
「…そんな事ないよ。優月さんの事守ったじゃん。」
そうだ。
陽くんは敵に臆することなく立ち向かった。
一番足をひっぱっていたのは…
私だったんだ。
「けど、あそこでカラスが来なかったら…」
陽くんは私の手を強く握った。
うつむいていて表情がわからなかった。
"ポンッ"
「こら、ガキ共。さっさと店の中入れ。風邪引くぞ。」
いつの間にかさきほど店に入った優月さんが戻って来て
私たち二人の頭を撫でていた。
「…おっさん。俺、俺さ、もっと強くなるから…頑張るから…」
陽くんはぐちゃぐちゃに泣いていた。
「大丈夫だ。お前はきっと強くなるよ。」
優月さんはぐちゃぐちゃに泣いている陽くんを撫でながら優しいまなざしで見つめていた。
『感動の場面で悪いけど、それ俺も仲間入れてくんね?』
突然背後から声が聞こえ、私達は振り返った。
「…っ!カラス!」
「…!!!」
優月さんと陽くんは構えた。
「あ。蘭丸さん。」
私は蘭丸さんに手を振った。
「おぉー!雛っぴぃ!まさか、黒雷ちゃんの所に雛っぴとプリーストちゃんまで居るとは思わなかった。」
蘭丸さんは笑顔で後ろから私を抱きしめた。
「うひゃっ!?///」
男の人に抱きつかれるのに慣れておらず、
思わず照れてしまった。