第7章 EMERGENCY
"ピンポーン"
再びインターホンが鳴る。
「あら、今日は来客が多いわね。ちょっと待ってて!」
そう言ってお母さんは玄関へと向かった。
しばらくするとまた悲鳴が聞こえた。
「わぁ!すいません、ちょっと行って来ます!」
私は優月さんを残しすぐに玄関へ向かった。
玄関には
「あ、雛!心配で来ちまった!」
「…陽くんまで…」
ニコニコ嬉しそうに笑う陽くんと、
陽くんに抱きつく母が居た。
そんなこんなで、
陽くんも一緒に晩御飯を食べることになった。
「おぉ!?おっさん!こんな所で何やってんだよ!」
陽くんは優月さんを見て驚いた。
「…えっと…ご飯をご馳走になろうとしてます。」
優月さんはしばらく考えてそういった。
「あ!そういえば、お父さんももうすぐ帰ってくるみたいだから、陽くんをお父さんに紹介しないとねっ♪」
お母さんはうきうきでご飯を並べ始めた。
「もう、だから違うってばぁー」
私の話など聞く耳も持たない感じだった。
しばらくすると本当にお父さんまで帰ってきた。
「パパー!みてぇ!雛の彼氏たちよ!」
お母さんはお父さんにそう紹介した。
まさかの紹介の仕方に
私と優月さんと陽くんは一斉に味噌汁を吹き出した。
「…ごほ…ちが…」
私がそう言うのも聞かず、
お父さんは目を見開いて二人を見た。
陽(…ど、どうしよう…何か怖ぇ…殴られる!?)
優月(いやいや、俺24歳だし、16歳と付き合ってるって勘違いされたら下手すりゃ捕まるんじゃ…)
二人は青ざめていた。