第7章 EMERGENCY
現実世界に戻ると、やっぱり時間は進んでいなかった。
しばらくすると
携帯がブーブーと鳴り始めた。
陽くんからだった。
「もしもし?」
「雛!!!!!大丈夫か!?」
耳がキーンとなるほど大きな声で陽くんは言った。
「う、うん。大丈夫だよ。」
「よかったぁ!!!おっさんと二人で超心配してたんだよ…。」
陽くんは安心したようだった。
そういえば、
優月さん…大丈夫だったのかな!?
「あ、優月さんは…」
そう言い掛けた時だった。
"ピンポーン"
家のインターホンが鳴った。
お母さんが『はーい』と言いながら玄関へ向かった。
そして、しばらくすると悲鳴が聞こえた。
「あ、ごめん!掛けなおす!」
私はそう言って電話を切り、すぐに玄関へ向かった。
そこには…
「雛!大丈夫だったか!?」
心配そうな顔をした優月さんが居た。
「優月さん!?」
思わず驚いてしまった。
「ちょっと!雛!どういう事よ!誰よ!このイケメンわぁ!!」
母は大興奮していた。