第6章 日常世界。
二人の目線が刺さった。
「っは!い、いえ!す、すいません!///」
顔がみるみる熱くなる。
「なんだ、お腹空いてるのか?」
優月さんは私の顔を覗き込んだ。
「あ、えっと…朝ごはん食べてなくて…。」
「わりぃ、俺が朝っぱらから呼び出したから!」
陽くんは申し訳なさそうな顔をしてこちらを見た。
「…ホットケーキとかでいいなら作るよ。」
優月さんはそう言って冷蔵庫を開け始めた。
「っへ!?いや!大丈夫です!気にしないでください!」
私は焦ってカウンターから身を乗り出した。
「雛、そんな乗り出したら危ねぇぞ!」
そう言って笑いながら陽くんは私の腕を掴んだ。
「え!?あ、ごめん。」
私は元に戻った。
優月さんは既にホットケーキを作り始めていた。
「あ、あの優月さん…。」
「あ?なんだ?ホットケーキ嫌いか?」
優月さんは少し悲しそうな顔をした。
「い、いえ!スキです!でも、あの申し訳ないので…」
「好きならよかった!ガキが申し訳ないとか使うな!大人には甘えなさい!」
そう言って優月さんはニコっと笑った。
「あまえようぜぇ!」
陽くんは嬉しそうにニコニコとしていた。
「は。はい。」
私が諦めて椅子に座ると優月さんは満足そうに笑った。
…。
しばらくしてホットケーキが出来て、
優月さんは私達に食べさせてくれた。
すごくふわふわですごく美味しかった。
なんだか、すごく幸せな時間だった。
こんな日常がずーっと続けばいいのになぁ。
そんな事を考えていた。
優月さんのお店の開店時間が近づいてきたので
私達はお店を出た。
そして、陽くんともお別れして
私は家に帰った。
…今日もあの世界へ飛ばされるのかな?
なんだか少し不安だった。