第6章 日常世界。
とりあえず、私達は"カラス"さんらしき人を観察することにした。
カラスさんはしばらく煙草を吸い終わると
MY吸殻入れのようなものを出してそこに煙草を捨てた。
…意外にマナーあるんだな。
そして、ジャングルジムから
普通に降りた。
ゲームの中みたいにかっこよく飛び降りるかと思ったけど…。
まぁ、現実だし本人かわからないし。
そして、カラスさんは私達のいる入り口と逆方向の入り口から公園を出た。
「おい、追いかけるぞ!」
陽くんは走り出した。
「わぁ!ちょっと待ってよ!?」
私は陽くんの後ろを追いかけた。
しばらくするとカラスさんはコンビニ入っていった。
「うーん…ここからじゃ何買ってるか見えない。」
陽くんは眉間にシワを寄せて窓にはりついていた。
「わぁ!そんな見てたらバレちゃうよ!?」
私はしゃがみながら陽くんの服を軽くひっぱった。
「あ!やべぇ!あいつ出てくるぞ!」
急に陽くんは私を抱きしめた。
「うわぁ!?ちょ!何!?///」
びっくりして手をブンブンとさせてしまった。
「いいから、ちょっと大人しくしてろ。」
そういって陽くんはより強く私を抱きしめた。
しばらくすると自動ドアが開く音がして、
私達の隣を足音が通過していった。
「…もう大丈夫か?」
陽くんは私を離した。
「あの…」
私は陽くんの顔を見た。
「あぁ。わりぃ、あいつが思ったより早く出てきたから顔隠そうと思って…」
そう言った後陽くんは何故か真っ赤になった。
「…そ、そっか!あ!追いかけないと行っちゃうよ?」
私は遠くに見えるカラスさんの後姿を指差した。