第5章 カラス
「ばぁか!ダメだよ!」
優月さんはコツンと陽くんの頭をゲンコツした。
「いってぇ!何でだよ!?おっさん!」
陽くんは眉間にシワを寄せて優月さんを睨んだ。
「そんな得体の知れない奴に会うなんて危ないだろ!?」
優月さんはコップを拭きながら陽くんを睨みかえした。
「…ば、バレないようにするし!」
陽くんは不満そうに口を尖らせた。
「そういう問題じゃないんだよ。仮に、カラスが危ないやつでお前らがその辺歩いてるのをカラスが見つけて、ゲーム内じゃなく、現実で何かしてきたらどうするんだ。」
優月さんは溜息をつきながら言った。
「そもそも、カラスさんってどんな人なんですか?」
私は気になっていたことを聞いた。
「あいつはアサシン。そして属性は嵐。このゲーム内では群を抜いて強い。でも、今まではPTを組まずにソロでずっと活動してたなぁ。まだ、人が死なない時代は結構派手に殺りまくってたが…。」
優月さんはうーん。と何かを考えていた。
「ま、待て!属性嵐ってなんだ?」
陽くんは聞いた。
「あぁ、まだ説明してなかったな。属性には一次属性と二次属性があるんだよ。」
優月さんは思い出したように言った。