第5章 カラス
陽くんはなんだか甘いチョコレートみたいな匂いがした。
思わず良い匂いでくんくんと匂ってしまった。
「…おい、そんな匂い嗅ぐなよ。なんか恥ずかしいだろ。」
陽くんは少し不機嫌そうな声で言った。
「ほぁ!?ご、ごめん。なんか良い匂いがしたから。」
「…あぁ。お香の匂いだろ。好きなんだよ。お香とかアロマとか…。」
陽くんは少し小さい声で言った。
「えぇ!?すっごいお洒落だね!」
私がそういうと陽くんは少し驚いたようだった。
「…ぜってぇバカにされると思った。」
そうポツリと呟いた。
「いやいや、お洒落だよ!なんかカッコイイ!」
「あぁぁ!もう!この話題終わり!匂いも嗅ぐな!///」
陽くんは少し照れているようだった。
「そういえばさ、俺、カラスって奴見たことあるんだよな。」
「え!?」
「だから、おっさんに聞こうと思って…。」
そんな話をしていると、優月さんのお店が見えてきた。