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第5章 カラス


乗ったはいいが何故か出発しない。

「うっわぁ、超重いわぁー、重すぎてペダル動かねぇ。」
陽くんはポツンと言った。

「うわぁ!?ごめん!降りるから!」
私はすぐに自転車から飛び降りた。

「…っぷは。冗談だよ!ばぁか!軽すぎて乗ったかどうかわかんなかった。ほら、乗れよ。」

そう言って陽くんは楽しそうに笑っていた。

「…もう。」

私は再び自転車の後ろに乗った。

「ほら、ちゃんとどっかにつかまれよ。落ちるぞ。」

「えっと…」

自転車の二人乗りがはじめてでどこをつかめばいいかわからなかった。

「ほら、俺につかまれ。」

「うん…////」

言われるまま、私は陽くんの腰の辺りにつかまった。
なんだか距離が近くてドキドキした。

「おっしゃ、しゅっぱーつ!」

そうして、自転車は走りだした。



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