第5章 カラス
時計を見ると、時刻は19時を指していた。
やっぱり一瞬だ。
そう思っていたら、
携帯が鳴り響いた。
陽くんからだった。
「もしもし?」
「あ、雛~?俺だけど、今からおっさんの所行かねぇ?」
「んと…優月さん迷惑じゃないかな?」
「あーあー、別にいいだろ。行こうぜぇ!迎えに行くから、お前の家の場所教えろ!」
「いや、いいよ!逆方向だし、申し訳ないし…」
私がそういうと、少し陽くんは黙り込んだ。
またいつもの眉間にシワよせた顔してるのかな…と考えていた。
「いいから教えろ!チャリでぱっと迎えに行くから!」
「えっと…」
私は陽くんに家の場所を教えた。
結局わからなくて、地図で検索するからという事で住所を教えて、やっとわかったようだった。
そして待つこと数分。
家のインターホンが鳴り響いた。
私はバタバタと部屋から飛び出し、
玄関に向かった。
ドアを開けると陽くんが居た。
「よう!家違ったらどうしようかと思ったぜ!」
そう言ってニヤっと笑った。
「わざわざごめんね。ありがとう。行こうか!」
私達は優月さんの所へ向かおうとした…
その時だった。
"きゃー!!!!"
背後の突然の悲鳴に私の心臓は縮みあがった。