第5章 カラス
「まぁ、許してやるよ。んで、あいつどんな奴なんだ?」
陽くんは相変わらず不機嫌そうな顔をして言った。
「…知ってるが、お前のその態度が気に入らないから教えない。」
優月さんはそう言って私の手をひっぱり歩きはじめた。
「あ、あの!////」
急に手を握られ、私はドキドキしてしまった。
でも、優月さんは特に気にしてないようだった。
…あれ?なんか私完全に子供扱いされてる?
「ほら、ガキ共さっさと教会戻るぞぉー」
「あぁ!?おっさん!教えろよぉー!」
そういいながら陽くんも後ろから駆け足で着いてきた。
丁度教会についた頃だった。
"ゴーン"
鐘の音が鳴り響いた。
「…なるほど。現実には戻れるわけか…」
そう優月さんが呟いた。
再び頭が痛くなり、
意識が朦朧とした。
そして、目を開けると…
そこは自分の部屋に切り替わっていた。