第5章 カラス
"カラス"が居なくなった後、
私は緊張の糸が解け一気に膝から崩れ落ちた。
「…なんだよあいつ。」
陽くんはムスっとした顔で言った。
「アサシンの"カラス"だ。しばらく見てなかったから辞めたと思っていたが、まだ居たのか。」
そう言って優月さんは私に手を差し出してくれた。
「あ…ありがとうございます。」
私は優月さんの手をとり立ち上がった。
「にしても、おっさん。俺達が居るのにあんな派手な攻撃すんなよ!当たったらどうすんだよ!?」
陽くんは眉間にシワを寄せて優月さんを睨みつけた。
「あ?PT組んでたら仲間の攻撃当たんないから大丈夫だよ。」
優月さんは驚いたような顔をした。
「あぁ!?そんなん聞いてねぇし!びびったし!なぁ!雛!」
陽くんは私に同意を求めてきた。
「あ…確かに少し驚きました。」
私がそういうと、優月さんは少し考えるように頭をかいた。
「そっか。すまなかった。」
優月さんはペコっと頭を下げた。
「い、いえ。私は全然気にしてないです!」
私がそういうと優月さんはニコっと笑った。