第4章 GAME START
「おい…なんかこいつ変だぞ。」
陽くんはしかめっ面で女の子を見ていた。
そう言われて私も女の子をじっと見つめた。
「イラッシャイマセ!訓練所ニヨウコソ!」
再び同じイントネーションで女の子は言った。
「あぁ、そいつはNPCだ。」
「えぬぴーしー?」
頭がハテナでいっぱいになった。
「ノンプレイヤーキャラクター。つまり、俺たちと違って人間じゃない。このゲームのシステムだ。」
「ふぅーん。だからさっきから一度もまばたきしねぇんだな。目ぇ見開きっぱなしだし。」
陽くんはぐっと女の子の顔に顔を近づけた。
「イラッシャイマセ!訓練所ニヨウコソ!」
女の子は再び同じフレーズを喋った。
「訓練をしにきた。」
優月さんがそう言うと女の子は優月さんの方を向いた。
「ソロデスカ?PTデスカ?」
「PTだ。」
「カシコマリマシタ。説明ハイリマスカ?」
「いらない。」
「カシコマリマシタ。5秒後ニ転送ヲ開始シマス。」
しばらくすると足元に魔方陣が現れた。
そして、光だし、眩しくて私は目をつぶった。