第3章 戻った世界。
「へぇー、あの恥ずかしい名前、おっさんが自分でつけたと思ってた」
陽くんはコーヒーをすすりながら言った。
「んなわけねぇだろ!バカっ!あと、俺おっさんじゃねぇよ!」
優月さんはムっとしたように言った。
「優月さんはおいくつなんですか?」
私は聞いた。
「あ?俺は24歳だよ。…まぁ、お前らみたいなガキからしたらオッサンなのかもな。」
ちょっと拗ねているようだった。
「24歳で…黒雷の剣士…ぶはっ!!」
陽くんは笑い出した。
「あぁ!?うっせぇガキ!笑うな!周りが勝手につけたんだよ!////…お前ら名前は?」
優月さんはまた真っ赤になりながら怒った。
「あ、桐谷雛です。」
私は頭を下げた。
「光武陽。」
陽くんはまだニヤニヤしていた。
「雛に陽な。で?お前らいくつだ?制服着てるって事は学生だよな?学校はどうした?」
「16だよ。学校はさぼった。おかわりっ!」
陽くんはコーヒーのカップを優月さんに差出しながら言った。
「16歳!?若けぇなぁ…って!学校さぼんな!クソガキ共!」
そう言いながら陽くんのカップにコーヒーを注いだ。
「いいじゃねぇーかよ!おっさんはさぼった事ねぇのか?」
陽くんは口をとんがらせながら言った。
「あ?あるよ。」
「人のこと言えねぇじゃねぇか!」
ケラケラと陽くんは笑った。