第3章 戻った世界。
「あ?こいつ昨日のおっさんじゃねぇか」
陽くんは驚いたように雑誌を取り上げて睨みつけるように見ていた。
"キーンコーンカーンコーン"
予鈴が鳴った。
「あ!予鈴だ!戻ろう。授業はじまっちゃう。」
私がそう言って行こうとすると
陽くんは私の腕を掴んだ。
「なぁ、今からココ行ってみねぇ?」
陽くんはニヤっと笑いながら黒雷の剣士さんに似た人のお店を指差した。
「え?でも授業が…」
「ばぁーか、そんなんどうでもいいんだよ!行こうぜ!」
「え!?ちょっと!」
「いいから、いいから、ちょっと待ってな!」
そう言って陽くんは屋上から出て行き、
しばらくすると私のカバンを持って現れた。
「ほい!よっしゃ!出発だ!」
私は流されるままに
陽くんとそのお店へ向かった。
案外お店は近く、あっという間にお店についた。
少し古いレトロな感じの小さなカフェのようだった。
昼はカフェ夜はバーと変わるようだった。
「よし!入ってみっか!」
陽くんは意気揚々とドアをあけようとした。
「あ!待って!」
「ん?なんだ?」
陽くんは手をとめた。
「オープン12時からって書いてあるよ。」
私は看板を指差した。
陽くんは腕時計を見た。
「まだ10時じゃねぇか。」