第3章 戻った世界。
整った顔立ち、外跳ねの黒い髪、華奢な細い体。
昨日ゲームの世界で出会った
黒雷の剣士さんそっくりだった。
「ん~?どうしたのぉ?」
乃亜が顔を覗き込んできた。
「・・・ん?あ!なんでもないよ!こ、この雑誌借りても良い?」
私は誤魔化した。
「うん。いいよぉー」
そんな時だった。
「おーい。桐谷雛って奴いるかー?」
誰かが教室の入り口で私を呼んだ。
「はい!私でーす!」
私はとっさに返事をして、声の主の方を見た。
ふわふわっとした黒っぽい銀髪に目つきの悪いジト目。
不健康なくらい真っ白な肌。
「え!?陽くん!?」
教室に現れたのは昨日"ゲームの世界"で会った陽くんだった。
「おぉ!やっぱり居た!ちょっとこっち来い!」
陽くんはニカっと笑い私に手招きをした。
「え?どうしてここに?」
「あぁ。とりあえず、ここじゃなんだから…屋上行くぞ!」
そう行って陽くんは私の腕を引っ張って屋上へ行った。