第12章 現実世界。
「あの、蘭丸さん。」
「ん~?」
蘭丸さんはじっとこちらを見つめた。
「時間外にログインした場合、こっちでの時間はどうなるんですか?一瞬…ってわけじゃないですよね?そうなったら時間がおかしくなってしまいますよね?」
「…あぁ。確かに。」
蘭丸さんは驚いたような顔をした。
「それは考えてなかった。そうか。今は昔と違うんだ…。」
「…昔?」
「そう。昔はログイン時間に6つの枠があったんだ。1コマ4時間ずつなんだけど、A~Fまでの時間割がされてたんだ。」
蘭丸さんは胸のポケットからメモ帳とペンを取り出し書き始めた。
昔の時間割のようだった。
A,0:00~(4:00)
B,4:00~(8:00)
C,8:00~(12:00)
D,12:00~(16:00)
E,16:00~(20:00)
F,20:00~(0:00)
「つまり、俺が12:00にログインするとする。すると、これはDの時間割りに値するからゲーム内の時間で最大16:00までになる。」
「ふ…ふむ。」
「つまり16:00になったらゲームは強制終了って事。けど、現実世界では一瞬だから12:00のまま。」
「…なるほど。」
「でも、次にゲームにログインできるのは現実世界の16:00以降の時間割って事になるんだ。」
つまり、12:30とか中途半端な時間からは
ゲームをはじめられないって事?
だから人によってのタイムラグがない・・・という原理なんだろうか…?
「その時間割りジャストじゃないとゲームにログインできないって事ですか?」
「そう。その通り。」
そう考えるとおかしい事が少しあった。