第12章 現実世界。
「そして、後はアカシックレコードのシステムを奪うって話しか…。」
やっと食べきったパフェの器から顔を上げると
私はじっと蘭丸さんの顔を見た。
「やっぱり挑発…ですか?」
「…うーん…。混乱させようとしているように取れるよな。」
蘭丸さんは溜息をついた。
「それを俺や優月ちゃんじゃなく雛に話したのは、一番素直に受け取りそうだからってのもあるかもしれない。…俺たちだったら鋭いツッコミを受けかねないからね。」
それってつまり一番バカそうな私だから
話したって事か…。
むぅ。確かに気の聞いた質問とか出来なかったし
ただただ驚いてただけだったな。
「…なんかすいません。」
「いや、別に雛っぴをバカにしたワケじゃないから気にすんな!素直な事は良い事だぞ!」
蘭丸さんはニカっと笑った。
…とりあえずフォローしてくれたのかな?
「どっちにしろシステムを奪うって事は現時点の俺たちでは無理だ。一番システム関係に強いカズだって時間外にゲームに入り込むのがやっとだって言ってたし。」
「そうですか…。」
しばらくシーンとした時間が流れる。
そういえば、カズトラさんのように
時間外にログインしたらこっちの世界ではどうなるのだろう?