第12章 現実世界。
私がパフェを食べている間、
蘭丸さんはすごく難しい顔をしていた。
「何で、あいつはそんなに雛を気に入っているんだろう…。」
蘭丸さんはポツリと呟いた。
「へ?」
「雛が優月ちゃんの話しに出てきた、"器"って奴の候補なのか…にしても、雛にいろいろな情報を喋りすぎだな。」
「…。」
私は難しそうな顔をしている蘭丸さんを
眺めながらパフェを食べた。
「以前、支配してた石田幸蔵はゲーム内では支配されてたが現実では普通どおり生活していた。…つまり石田の場合、あいつの支配は合意の上…という事か。」
「記憶は共有しないんですかね?ゲーム内の。」
甘いパフェを食べ続けて思わず喉が渇いた私は
お冷に手を伸ばし、お冷を口に入れた。
「…記憶の共有か…。でも、優月ちゃんの話しだと、ゲームを紹介したのは石田でしかも、石田は毎回優月ちゃんの事を褒めてたようだったよな。」
「あ、でも、マスターも自分についての詳しい事は教えてくれなかったって優月さん言ってましたよね?」
私がそういうと蘭丸さんはまた「うーん」と唸り始めた。