第12章 現実世界。
注文したメニューが来ると、
蘭丸さんはブラックのコーヒーを飲み始めた。
スーツ姿の蘭丸さんはなんだか
いつもよりずっと大人に見えてかっこよかった。
それに比べて、
制服姿で特盛りのパフェをつついている私は
周りにどういう関係に見られているんだろう…?
やっぱり兄妹に見られてるかな?
「んで?話しって?」
蘭丸さんはじっと私を見つめる。
「あ…えっと…今日、樋渡さんと会った時の話しなんですけど…。」
私は一旦スプーンを置いて、
あの時聞いた話を蘭丸さんに話した。
蘭丸さんには話しておいたほうがいいと思った。
蘭丸さんは話を聞くと
しばらく考え込んでいるようだった。
「…あいつの事は信用ならないから…あれだけど…とりあえず気になる所が沢山あるな。」
「は、はい。」
蘭丸さんはそういうと、
パフェのスプーンを手にすると、
アイスをひとすくいした。
そして、私の口に押し込んだ。
「とりあえず、アイスが溶けそうなのがすごく気になるから食べろ。」
「ふぁ、はい。」
私は慌ててパフェを食べ始めた。