第12章 現実世界。
「んで、さっきのアイコンタクトは何だったの?なんか俺に話がありそうだったね。それとも本当に俺とデートしたかった?」
蘭丸さんはニコニコとした顔で尋ねた。
「お話がありました。」
「がーん、デートじゃなかったかぁー。」
蘭丸さんはケラケラと笑った。
「へ!?で、デートだなんて…そんな。えっと…割と真面目な話しで…」
「大丈夫だよ。わかってるって。…とりあえず、喫茶店でも入ろうか。」
そういうと、蘭丸さんは私の手を握って、
なんだかお洒落なカフェへと足を運んだ。
蘭丸さんは席につくと、
店員のお姉さんと仲良さ気に話していた。
常連さんなのかな?
一通り話し終わると、
蘭丸さんは注文を始めた。
「俺、コーヒーとぉー…雛っぴは注文決まった?」
「あ、え、えっと…」
私は慌ててメニューに目を通した。
どのメニューもなかなかのお値段だった。
「雛っぴは甘いもの好き?」
「は、はい!」
「おっけー、んじゃ、この子はチョコパフェで。特盛りにしといてねぇー!」
注文を取ると、店員さんは笑顔で去って言った。
「あ、あの!」
「あ、おごるからお金の心配はしなくていいよ。それともあれ?パフェ嫌い?」
「い、いえ、大好きです…。でも、パフェって確か1500円…わ、私払いますっ!」
私がそういうと、
蘭丸さんが私のオデコにデコピンをした。
「こらっ!可愛い女の子がお金の話しはしないのっ!黙って男に奢らせるもんですよ。」
蘭丸さんは相変わらずケラケラと笑っていた。
…なんとなくだけど、
確かにカズトラさんと蘭丸さんは似てるかも…と思った。