第12章 現実世界。
とりあえず、夜も遅くなる前に解散しようと言う話しになり、その場は解散する事になった。
「雛!送るよ!」
陽くんが私の方へ駆け寄ってきた。
が、
私は、その誘いを断った。
「ごめん!あ。あのね、ちょっとだけ…今日は用事があって…。」
私はチラっと蘭丸さんの方を見た。
蘭丸さんはその目線に何かを察してくれたのか、
私達の方へ歩み寄ってきた。
「わりぃな!よっぴぃ!これから俺と雛っぴデートだから!」
そういうと、蘭丸さんは私の肩に手を回した。
「あ!?」
陽くんは眉間にシワを寄せて、
威嚇するように蘭丸さんをにらみつけた。
「蘭丸。勘違いされるような言い方するな。陽も冗談ってわかってる発言に食って掛かるな。」
優月さんが溜息をつきながら
二人の間に入った。
「うっせぇーな!…こいつに何か変なことされたら、俺に言えよ!助けに行くから…。また、明日な。」
陽くんはモジモジとそういうと、
自転車にまたがってそのまま帰って行った。
「んじゃ、行くか。雛っぴ。」
私は蘭丸さんに背中を押され、
歩きはじめた。
「気をつけろよ。じゃ、また明日な。」
優月さんはそう言って手を振った。
私と蘭丸さんも優月さんに挨拶をすると、
再び歩き始めた。