第12章 現実世界。
「まぁ、雛っぴが無事で安心したよ。…でも、なんで起きる時間にタイムラグが発生したんだろうな…。」
蘭丸さんは頭をワシワシとかきながら
溜息をついた。
「タイム…ラグ?」
「雛っぴが起きるの、俺たちより20分も遅かったんだ。自覚あった?」
蘭丸さんはじっと私を見つめた。
陽くんは私から離れて、
ベットの縁に腰掛けた。
「あ、はい!…えっと…ゲームの世界に取り残されてたんです!」
「「「ゲームの世界に?」」」
3人が一気に声を揃えた。
「えっと…なんか原因はわからないらしいんですけど…終了してしまったゲームの世界に残されたとかで…真っ暗な所に居て…。」
「…なんだそれ?そういう事あんのか?」
陽くんが私の顔を覗き込む。
「んと、あんまりないみたい。」
「待て、あんまりないみたいって…誰に聞いたんだ。」
優月さんは眉間にシワを寄せた。
「あ…えっと…。」
樋渡さんと言ってしまっていいのだろうか?
いや、でも、ここまで言っておいて黙るのも…。