第12章 現実世界。
「ずっと起きなかったら…どうしようかと思った。何かあったのかって…。あと少し起きなかったら…救急車呼ぼうと思ってたんだ。」
優月さんは眉間にシワをよせて、
なんだか悲しそうな顔をしていた。
ゆっくりと私の頭を撫でた。
そうか。
優月さんはこのゲームでたくさんの友人を亡くしてる。
不安になるのは当然か。
…なんだか悪いことしちゃったな。
「もう、本当に心配だったんだからな。」
そういうと、また陽くんは私を横からぎゅっと抱きしめた。
「あ、あの、陽くん…恥ずかしいよぉ…。」
「うるせぇ!心配させた罰だぁ!」
その様子を見て、
優月さんは溜息をつき、
蘭丸さんはケラケラと笑っていた。
「明日は絶対…俺が雛の事守るから。絶対…絶対に…。」
私を抱きしめる力がぎゅっと強くなった。
その陽くんの手は少しだけ震えていた。
「大丈夫だよ。よっぴぃも雛も誰も…俺達が死なせねぇから。なぁ、優月ちゃん?」
蘭丸さんは私と陽くんの頭を軽く撫でると、
優月さんの方を見た。
「あぁ…絶対に…。」
優月さんはうつむいたまま
そう言った。