第12章 現実世界。
いろいろな本が広げられたまま置かれている机に
ゆっくりと近づいて、広げられた本を覗き込む。
広げられた本は英語ばかりの表記で
眩暈がするようだった。
ドアが開き、樋渡さんが部屋に戻ってきた。
その手にはティーセットとクッキーのようなものを
持っていた。
「これが"おもてなし"ってやつだね?」
そういうと、樋渡さんは嬉しそうに机の上にそれを置いた。
そして、私に手招きをして、椅子へと呼び戻した。
私は再び椅子に腰掛けた。
樋渡さんは鼻歌を歌いながら
ティーカップに紅茶を注ぎ始めた。
そして私へ差し出した。
「…あ、ありがとうございます。」
私は頂いた紅茶を一口飲んだ。
樋渡さんは私の顔をじっと見つめた。
「…あ…えっと…美味しいです。」
私がそういうと、樋渡さんはニッコリと笑った。
「ねぇ、雛。雛達の住んでる世界はどういう所なの?こっちとは全然違う?」
「…え?…そうですね。同じようなところもあれば全然違うところもあります。」
「具体的にどう違うの?」
樋渡さんは目を輝かせて私に尋ねた。