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第12章 現実世界。


しばらくすると
真っ暗な空間に明かりが見えてきた。


しばらく無言で歩き続けたが、
樋渡光は突然歩みを止め、考えるポーズをした。

私はそんな樋渡さんをじっと見つめた。


「雛は彼氏は居るの?」


「…へ!?」



あまりの意外な質問に
私はポカーンと口をあけた。


「…あれ?16歳ぐらいの女性は恋愛関連の話題が好きと言うデータがあるんだけど…あまり好きではなかったかな?」


樋渡さんは顎に手を添え、再び難しい表情をした。



「い、いえ。恋愛関連の話しは好きですけど…突然だったので驚いてしまいました。」



「…あぁ。なるほど"間が悪い"という事かな?」


「ん?間が悪い…というか…うーん。そういうのって割と親しくなってからする会話なんじゃないですかね…?」


私がそういうと、
樋渡さんはじっと私を見つめた。



「…なるほど。"恋人の有無の確認は親しくなってからが人間のルール"と言う事ですね。把握した。では、またもし機会があって親しくなった場合に確認させてもらうよ。」


樋渡さんはニコリと笑った。


…意外に怖くない…人かも…。

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