第11章 アカシックレコード
「ちょーっと待て!何でその話がそうなるんだよ!俺たちついていってねぇーんだけど!」
陽くんが不満気に口を尖らせた。
「うんうん!全くわかんない!」
律さんも賛同するように首を縦に振る。
「すみません…私も全く…。」
私も3人をじっと見つめる。
「えーっと、まず樋渡くん自体は生きてる。けど、精神をアカシックレコードちゃんに奪われてるからアカシックレコードちゃんのシステムを破壊すれば樋渡くんは助かるんじゃないのーって仮定で話してる!」
カズトラさんはヘラヘラっと笑いながら
私たちにわかるように説明してくれた。
「ただ、開発者側より先にこっちがシステムを破壊しなきゃ、もしかしたら樋渡くんは助からないかもしれないよね?蘭ちゃん。」
カズトラさんはじっと蘭丸さんを見つめた。
「そうだな。アカシックレコードの抜け殻は恐らく消される。開発に関わった連中が続々と殺されてるからな。」
蘭丸さんは眉をひそめた。
「どういう事だ?」
優月さんは驚いたようにそう尋ねた。
「今、俺の親父がそれ関連の仕事請負ってるんだよ。今日もそれに行ってきた。」
蘭丸さんは溜息をついた。