第11章 アカシックレコード
「ははは…わりぃな…。」
陽くんは力なく笑った。
「…?」
私が首をかしげていると、
陽くんは再び元気な笑顔に戻った。
「今日さ!おっさん元気なかっただろ?だから、明日二人でおっさんが元気になるようなサプライズしてやろうぜ!」
陽くんは私の方をじっと見つめた。
「あ!いいね!楽しそう!」
私がそういうと、陽くんは嬉しそうにした。
「んで、具体的に何するかなんだけどー…俺そういうの考えるの苦手だから、雛考えて。」
陽くんは頬をかきながらそう言った。
「へ?あ…うん!どうしよっか…。」
私は必死で考えた。
優月さんが何をしたら喜んでくれるか…。
そもそも、
私達ってお互いの事全然知らないな…。
それに私達高校生だから
そんなお金かかった事は出来ないし…。
「…無難に手作りのものあげるとか…手紙とかは…?」
私がそういうと、
陽くんは"うーん"と考え出した。
「わかった!じゃ!明日手作りの何かと手紙持って行くわ!」
陽くんはふんっと鼻を鳴らして意気込んだ。
「う、うん!わかった!私も持ってくるよ!」
私もガッツポーズをして頑張る意思をアピールすると
陽くんは嬉しそうに笑った。
「ありがとな。雛。」
陽くんのその笑顔は何故か少しだけ寂し気に見えた。
「…?…うん。」
「なぁ。雛。」
「ん?」
「怖く…ないのか?」
陽くんは眉間にシワを寄せていた。