第2章 ゲームヲハジメマスカ?
「あ、陽くん、もう大丈夫だよ!」
そう言って私は陽くんの肩をポンポンと軽く叩いた。
「・・・うわぁ!?…ん?大丈夫…?」
陽くんは私に肩を叩かれたことに驚いたようだが、すぐに状況を理解したようで私から離れた。
「あ、あの…ありがとうございます!黒雷の剣士さん!」
私は黒雷の剣士さんに頭を下げた。
「ったく!危ねぇだろ!?んで、武器も持たずにこんなところほっつき歩いてんだ!ほら!教会戻るぞ!」
そういって黒雷の剣士さんは先程の建物の方へ歩きだした。
陽くんはよく分かっていないのか首をかしげていた。
しばらく黒雷の剣士さんの後ろをついて歩き、再びあの古い建物の中に戻った。
陽くんは少し怖かったのか、私の袖をずっと握っていた。
教会につくと、黒雷の剣士さんは椅子に腰掛け、ふぅーっとため息をついた。
「…あの…。」
私は声を掛けた。
「おい、てめぇらこの世界にどうやって来た?」
黒雷の剣士さんはなんだか怒ったような表情でこちらを睨みつけた。
背筋がゾクっとした。
「えと…朝から学校に行ってたら、誰かがビラ配りしてて…そこにURLが書いてあって…アクセスしてみたらここに…」
私は恐る恐る言った。
「あ、俺も!なんか、気づいたら目の前にビラ出されてさぁ。びっくりして受けとっちまった!なんか気になってついアクセスしちまって…」
陽くんは驚いたように言った。
「…なるほどな。だから最近異常にプレーヤーが増えたわけか…」
黒雷の剣士さんはポツリと呟いた。
「プレイヤー?」
陽くんは眉間にシワを寄せて聞き返した。
「いいか、よく聞け。ここは"ゲームの世界"だ。」
「ゲームの世界?」
「そうだ。ゲームの世界に肉体が入り込んでいるんだ。」
わけがわからなかった。
最近のゲーム技術はそこまで進んでいるのか・・・。
隣の陽くんの顔を見た。
同じくわけがわからないと言いたげな顔をしていた。