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第2章 ゲームヲハジメマスカ?


「…まぁ、どっちも逃がさねぇよ?」
そう言って斧を持ったおじさんがこちらに向かって斧を振り上げた。

「・・・っく!」
「きゃっ!」

私は強く目を瞑った。
陽くんはかばうように私を強く抱きしめた。

"キィィィィン"

甲高い金属のぶつかり合う音が鳴り響いた。





…あれ?死んでない…?

「ったく…初心者相手に集団で何やってんだよ。雑魚共がっ!」

若い男の人の声が耳に入った。
私はゆっくり目を開けた。

目の前には黒髪に黒い装備をまとった人が
さきほどのおじさんの斧を剣で止めていた。

「…っな!お前は"黒雷の剣士"!何でこんなところにっ!」

『コクライノケンシ』おじさんはそう言っていた。

"キィン"

「さぁな。偶然通りかかっただけだ。殺されたくなきゃ、さっさと失せな。」

そう言って『コクライノケンシ』と呼ばれた男の人はおじさんの斧をはじき返した。
そしておじさんに剣先を向けた。


「ひぃぃぃ!逃げるぞぉぉぉ!」

そう言っておじさん達は退散して言った。

助かった…?

陽くんは、気づいていないのか私にしがみついたまま震えていた。

『コクライノケンシ』さんはこちらを振り返った。

先程まで雲で隠れていた満月の光に照らされた彼は
整った顔立ちですらっと長い足に華奢な体、外に跳ねた真っ黒な髪をしていた。

「おい、ガキんちょ共いつまでもイチャつくな。ぶっ殺すぞ。」
黒雷の剣士さんは不機嫌そうな顔でそう言った。

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