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第10章 OLDEN DAYS


『エリ。ダメだよ。それは僕の器だ。』

その声と共に女の動きは止まった。

その瞬間を見計らったように
源が女に切りかかる。

"ザクッ"

一瞬だった。

女はいとも簡単に源の攻撃をかわし、
そして、片手で大きな斧を振り、
源を真っ二つにした。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

周囲に俺の叫び声がこだまする。

「つまんないなー。」
女はそう言うと、
後ろへと下がって行った。

目の前に転がる源の遺体に
腰が抜けて動けなかった。

「おい、優月!!!おい!!!おい!!!!」

後ろから良二の声が聞こえる。
次第にそれは断末魔に変わる。

叫び声と狂ったように聞こえる笑い声。

全員が、俺の名を呼んで
俺に助けを求めた。

でも、俺は動けずに居た。


次第に辺りは静かになった。


血生臭い匂いが
辺りを包み、

動かなくなってしまった
見慣れた人間たちが転がっている。


『さて、残るは僕の器になってほしい二人だけ。』

マスターがそう言いながら
俺に近づく。


そして、俺の目の前に立ち、
俺に触れようとした。

が、俺の目の前に小さな背中が立ちはだかった。




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