第2章 ゲームヲハジメマスカ?
「ほう、ガンナーにプリーストじゃねぇか…。」
後ろでスマホのようなものをいじっているおじさんが呟いた。
「プリーストかぁ!もったいねぇなぁ…でもまぁ、出る杭は打つに限るな。」
「いや、待てよ!プリーストだろ?」
おじさん達は私たちをそっちのけて話し合いをはじめた。
"プリースト""ガンナー"なんだか聞き慣れない言葉が飛び交う。
「…ねぇ、なんか怖いし今のうちに逃げましょうよ。」
私はコソっと陽くんに耳打ちした。
「あ?逃げてどうすんだよ。」
陽くんはまた眉間にシワを寄せ渋い顔をした。
そうしておじさん達の意見は何やらまとまったようで、
おじさん達は立ち上がりこちらを見た。
「わりぃなガキ共、ここはてめぇらの来るような所じゃねぇんだよ。消えてもらおうか」
先程の背中に斧を背負ったおじさんが斧を手に持った。
他のおじさん達もそれぞれの武器を手に持った。
あ、これはやばい。
殺される。直感でそう分かった。
「…っな!」
陽くんは驚いた顔をして、それから私の前に手を出した。
「…と、とりあえず、よ、よくわからんがっ…お前は逃げろ!」
どうやら私を守ろうとしてくれてるようだった。
でも、その足は小さく震えていた。
「…っ陽くん!い、一緒に逃げようよ!」
私は陽くんの腕を引っ張った。
「ば、バカ!一緒に逃げても逃げ切れるわけねぇだろ!?」
陽くんは動かなかった。
でもその声は少し震えていた。
「ガハハ、女の前でかっこつけようと必死だなぁ、ガキぃ、足が震えてんぜぇ?」
おじさんたちは笑い出した。