第10章 OLDEN DAYS
それから俺たちは暫くゲームを控えていた。
マスターのカフェはあれ以来、
ずっと閉まったままだった。
勇気をだして、
ドアを叩いてみたが、
誰も出てこなかった。
「そこもう誰もいねぇよ。」
ふと背後から話しかけられ
思わず振り返る。
人相が悪く、
派手なスーツを着た少し年を取った男だった。
「出て行ったんですか…?」
「おう、…ここのカフェは経営不振だったようだからな。いいおっさんだったが…まぁ、仕方ないんじゃないか?」
俺は思わずうつむいた。
「まぁ、元気出せや兄ちゃん。そうや、兄ちゃんが次はここで店やんな!格安で売ってやるよー」
そう言ってガラの悪い男は俺に名刺を渡した。
「あの…」
俺の話しも聞かずに、男はどこかへ行ってしまった。
『鴉夜組 鴉夜豪』
そう名刺には書かれていた。
俺はその名刺をポケットにねじ込んだ。
ふと、携帯が振動する。
俺は携帯を取り出した。
圭太からの着信だった。
「どうした?」
「や、やばい!優月!テレビ、テレビ見ろ!丸尾と柴が…」
圭太はなにやら焦っているようだった。
俺はすぐ家へと帰り、
テレビをつけた。
"若者の謎の突然死 また被害者。"
そのテロップと共に、
見慣れた顔の画像が出てくる。
「そ…んな…。」
紛れもなく俺のギルドのメンバーだった。
頭が真っ白になった。
ギルドメンバーから次々と電話がかかってくる。
全員が…
『戦いたい』そう言った。
狂っている。
だって、死ぬかもしれないのに…。
でも、何故だか俺も
戦わなければいけない気がした。
俺たちはゲームへ
ログインした。