第10章 OLDEN DAYS
「…おい!優月!!!なにやってんだ!?」
光は俺の腕を引っ張った。
「やぁ、光くんも一緒かい?君たちは本当に仲がいいね?」
ニコニコと笑うマスターの手には…
生首のようなものが掴まれていた。
「…ま…すたー…?」
光の顔がみるみる青ざめる。
「あぁ、悪いね、怖がらせてしまったね。僕はね掃除をしているんだよ。優月くん。」
そう言ってマスターは手にもっていたモノを
投げ捨てた。
「掃除…?」
「そう。不要な人物の掃除をね…?優月くん。君も手伝ってはくれんか?」
マスターは笑顔で俺に近づいてくる。
足が震えて動かない。
「優月、優月、逃げなきゃ…早く…!!」
光は俺の腕を引っ張る。
"ッキン"
目の前にナイフが3本ほど飛んできた。
それではっと我に返り、
俺は光の手を引き、
走り始めた。
「やぁ、裏切るのかい…?僕のカワイイ子羊よ…。」
マスターはそのナイフを飛ばした誰かに
話しかけていた。
俺たちは、
そのまま教会へと逃げ込んだ。
「大丈夫だ…お前だけは…絶対…俺が守る!!!」
俺は強く光を抱きしめた。
でも、本当は怖くてたまらなかった。
「優月…つ、次は俺が優月を助ける番なんだ…!」
「…?」
「俺、プリーストでよかった!だって、優月達を助けられるだろ?だから…俺…もっとがんばるよ!」
その時の光の笑顔は
いつもの無邪気な笑顔じゃなく…
どこか寂しそうな顔をしていた。