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第9章 狂った世界。


ぼーっと覚醒しきれない頭で考えた。
結局彼は誰だったのか、
優月さんが…人殺し…?

…ありえない。
嘘に決まっている。

私はすぐに荷物を持つと、
優月さんのお店へと走った。

優月さんのお店に向かう間も
ずっとずっと考えていた。

心のどこかで怖がっていた。
もし、あの少年の言う事が本当だったら…?

もし、私が騙されているだけだったら?

その不安を払ってほしくて、
すぐに優月さんに会って
『違う』って否定してほしかった。

お店につき、ドアを開けると、
優月さんがすぐにカウンターから飛び出してきた。

「雛っ!!!!無事でよかった…!!!」
優月さんは私を抱きしめた。
暖かくて、コーヒーの甘い匂いがした。

「優月さん…!さっき…あの人が言ってたんです…。」

「ん?」
優月さんは不思議そうに私の顔を覗き込んだ。

「優月さんが…友達を殺したって…人殺しだって…違いますよね!?」
私は真っ直ぐに優月さんを見た。

"ガチャ"
私が口を開くと同時にお店のドアが開いた。

「雛!おっさん!」
陽くんが入ってきた。

「陽くん…。」
私が陽くんから優月さんの方へ視線を戻した。

「…っ!!!」

優月さんは今まで見た事のないような
悲しそうな辛そうな…
なんとも言えない表情をしていた。

「おっさん…?」
陽くんもその表情に困惑しているようだった。

「…悪い…それは…否定できない…。」
優月さんは少し震えた声でそう言った。

「…!?」
頭を殴られたような
鈍い感覚に襲われる。

優月さんが…人殺し…?


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