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第9章 狂った世界。


「悪いね。システムが強制終了してしまったけど君と僕だけ残してもらったよ。この空間はまだゲームの中さ。」
真っ暗な空間からふと声が聞こえる。

「…え?」
私は周りを見渡した。

「僕はここだよ。お嬢さん。」
ふと背後から声がしたので、私は振り返った。
先程の少年がニヤニヤと笑っていた。

「あの…」

「大丈夫、すぐに戻してあげるさ。ただね、君に一つだけ教えててあげたいんだ。黒田優月についてね。」

「優月さんについて…?」
私はまた彼の瞳をじっと見つめた。

「そう。彼はね…友を殺してまで自分が生き残ったんだよ。あいつは…人殺しだよ。」
少年は何故か嬉しそうに笑った。
不気味だった。

「そんなっ…」

「そんなわけあるさ。本人に聞いてごらん…?そうだ、君の名前を問うてなかった。名は?」
少年は相変わらずニヤニヤと私を見た。
何故かズキズキと頭が痛んできた。

「桐谷雛…。」
また、口から勝手に質問の答えが出る。

「雛…か。僕の名はね…」
少年が口を開こうとした瞬間
凄まじい頭痛に襲われた。

そして、目を強く瞑った。

次に目を開けると…
見慣れた天井がそこにはあった。

現実世界だった。



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