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第9章 狂った世界。


「いいかい。君が善と思っているものが悪であり、架空の情報を与えられているかもしれないんだよ?」

少年の目に私が映る。

「…え?」

「世の中はね、善と悪が混在しているんだ。善だと思った事が悪、悪だと思ったことが善。真実はわからない。」

「善の人間が知らず知らずのうちに悪に加担してしまう事ってよくあるんだ。"ハコブネ"はね、そんな可哀想な子羊達を救済しているんだよ。善の道に戻してあげるためにね…?」

少年の目に思わず吸い込まれそうで
私の頭はぼーっとしていた。

「僕はね、君を救いたい。そして君と共に迷える子羊を救いたいんだ。ほら、考えてごらん。今君は…」





『善の道を進んでいるのかい?』






その言葉と同時に
"ゴーン"と鐘が鳴った。

そこから私は目の前が真っ暗になった。

目をさますとそこは…
現実世界ではなかった。

どこか真っ暗な部屋に

閉じ込められているようだった。

ここは…
どこ…?
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