第9章 狂った世界。
「お嬢さん。君は何故彼らと行動をする?」
少年は美しい目で私をじっと見つめた。
「…仲間だからです。」
「ほう。仲間。何故仲間になった?」
「とても、私によくしてくれたからです。」
何故だか答えたくもないのに
質問に対して言葉がスラスラと勝手に口から出てくる。
「よくしてくれた…。なるほどね。」
少年は何やら考え事をしていた。
「僕はね"ハコブネ"というギルドに所属しているんだ。」
その言葉に思わず驚いた。
この人が優月さんの因縁の相手かもしれない…?
「僕はね、一目で君を気に入った。どうだい、僕と一緒に来ないかい?」
そう言って少年は私の頬に触れた。
その手はとても冷たく、
思わず身体がビクンと波打った。
「いやです。」
「ほう?何故だい?」
少年は怪しげに笑った。
「"ハコブネ"は悪い組織だと聞いたからです。」
「誰にだい?」
「優月さんと蘭丸さんから…」
私がそう言うと、少年は高笑いをした。
「では、問おう。君は何故"ハコブネ"を悪だと決め付ける?」
「優月さん達がそう言うから…」
「考えてみなさい。子羊ちゃん、君は騙されているかもしれないんだ。」
そう言って少年は再びニタァっと笑った。